家庭用エアコンでは冬期に冷房運転はできない2009/06/23 17:43

なんだか当たり前のようなことだけれど、実際のところを知らない人が多そうなので、メモ。

会社事務所や、研究室などで小規模なサーバールームを運用している所では、その空調に家庭用エアコンを使っている環境が多いかと思われますが、冬期、それも非常に寒い深夜に何故かサーバルーム(あるいはサーバ本体)の温度が上昇した経験はありませんか?

それは、何かの間違いというわけではなく、実際に温度が上がっていて、その原因は、エアコンの冷房運転が自動的に停止しているからです。

部屋の広さに対してサーバの密度がそれほど大きくない場合や、部屋の密閉度が高くない場合は重大な問題とならないので、気付きにくいところがあるかもしれません。僕が経験したところでは、12月~2月のAM2~4時頃に、サーバ側からアラートとして、40度以上になったことがあります。

最初はエアコンの故障かと思っていたのですが、昼間に改めて確認すると異常なし(ちゃんと冷気が出ている)。しょうがないので、電機のサービスマンを呼んで検査してもらったところ、特に異常なしでした。

よくよく話してみると、このような家庭用のエアコンは、冬期に冷房運転をするような用途を想定していないそうです(当たり前か。。)。そして、寒い環境に室外機が置かれた状態で冷房しようとすると、内部が凍ってしまう危険性があるそうです。

実際には、凍結する前に安全装置が作動するらしく、その結果として深夜に冷房がOFFになって、送風になってしまうのではないか、という話でした。

そういうわけで、解決策としては

・業務用の考慮が為された空調機に入れ替える(高価かつ、あまり小規模のものが無い)
・空調機の部分が冷えすぎないようにする(半室内に入れるとか?)
・エアコンは諦めて、冬期夜間は直接外気を取り入れるなど換気の仕組みを入れる


まあ、現実的には3番目の換気をするというところになりそうです。

冷蔵庫を改造してサーバーラックとかにできないものかな、と一瞬思ったけれど、結露してしまってダメらしい。


(2009/8/9追記)
外が寒い時期に外気を取り入れることによって冷却をする方法は、外気冷房としてIDCビル等では空調システムの機能として取り入れられつつあるらしい。

外気冷房システム : 日立プラントテクノロジー
-http://www.hitachi-pt.co.jp/products/ac/energy/architecture/outsideair.html

日立、横浜の新・環境配慮型データセンター訪問記
-http://enterprise.watch.impress.co.jp/docs/news/20090807_307483.html

ECCJ 省エネルギーセンター
-http://www.eccj.or.jp/pressrelease/pdf/070316.pdf

コメント

_ mit ― 2009/06/25 22:41

ちょっと高いかもしれませんが、
http://www.apiste.co.jp/itc/
こういうのもあります。

_ sakurada ― 2009/06/26 00:51

そうそう、こういうサーバラックをダイレクトに冷却する装置ありますよね。以前、IBM?のソリューションでラックにくっつけるタイプのクーラーを調べたことがあったのですが、やっぱり価格がかなり高いこと、排水ドレンからの水を貯めるタンクを定期的に処理したりとか手間がかかるので、ちょっと無理だなあ、と思った記憶があります。

小規模かつ高密度なサーバルームを維持するためにはいろいろ工夫が必要ですね。そもそも、そんな高密度にしない、というのが一番の対策な気もしますけど。

_ What do you do for a strained Achilles tendon? ― 2017/09/04 01:46

Hmm is anyone else encountering problems with the pictures on this
blog loading? I'm trying to determine if its a problem
on my end or if it's the blog. Any feed-back would be greatly appreciated.

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